1.タンタロンの100の質問
始めて答えた100の質問がゲームブックの質問になろうとは……私らしいのかも。それはさておき、頑張っていってみましょう。この質問は、閃光さんのサイトfantasiaから頂いています。
http://www.geocities.co.jp/Bookend/2685/index.html
1 あなたのHNを教えてください。
熊恭太郎です。
2 いつ頃から好きになりましたか?
(ゲームブックを)好きになったのは、小学四年生だったと思います。三年だったかな?
友人が紹介してくれたタイミングですので、そのうち友人に聞いてみましょう。
3 ゲームブックを知ったきっかけを教えて下さい。
同じクラスの友人に教えられたことです。
4 初めて読んだゲームブックを教えて下さい。
『城砦都市カーレ』だったと思います。
5 そのとき抱いた率直な印象を教えて下さい。
難しくて、面白い!
6 ゲームブックを何冊持っていますか?
正確には数えていません。全盛期には40冊程度あったと思いますが、今は20冊前後だと思います。
借りたものや、ウォーロック掲載のものを合わせると…、たくさん。あ、そこまでは聞いていないのですね。
7 好きなゲームブックは何ですか?よろしければコメントもお書き添え下さい。
壮絶に悩ませる質問ですね………。
あえて一冊を挙げるなら『悪魔に魅せられし者』です。
シリーズをまとめて挙げていいなら『ソーサリー』四部作が、他のあらゆる単本よりも好きです。
8 好きなシリーズ物があったら教えて下さい。
『ソーサリー』四部作です。
9 そのシリーズの中で、特に気に入った作品はありますか?
すべて好きですので、特に気に入ったものはありませんが、あえて一つ挙げるなら『七匹の大蛇』です。
10 好きなシリーズ物についてコメントをお願いします。
経験したゲームの中では、ファンタジーと魔法を結びつけた、あらゆる媒体の中で初めての作品。しかも素晴らしいバランスでした。ファミコン版『ドラゴンクエスト』を後に体験することになるのですが、衝撃は比較になりませんでした。
11 好きな作家は誰ですか?よろしければコメントとメッセージも書き添え下さい。
敬称略、順不同で。スティーブ・ジャクソン(英)、鈴木直人、林友彦、古川尚美。
どの作家にも、違った良さがあります。デイヴ・モーリスなんてややマイナーな作家でも、良さが感じられます。残念ながら、ハービー・ブレナンはプレイ本数が少なすぎて、評価できませんが、もう少しプレイしていたら、好きな作家に入っていた気がします。
12 好きな挿絵はありますか。(作家・作品名・項目番号などわかる範囲で)
一杯ありすぎます……。
一つは、『魔法使いの丘』の1番、サイトマスターが主人公を送り出すシーン。
もう一つくらい挙げると、『王たちの冠』800番「さあ、今はゆっくりと休むがよかろう」のメッセージと共に見ることのできるマンパン砦と、周囲をバードマンたちが羽ばたいている挿絵。
13 好きな出版社があったら教えて下さい。よろしければコメントもお書き添え下さい。
社会思想社です。東京創元社も好きですが、前者に決定する理由は、T&Tシリーズを出しているからです。T&Tは、ゲームブック(ソロアドベンチャー)については『カザンの闘技場』を除くとあまり好きではありませんでしたが、ルールブックが気に入っています。
14 まだ読んだことのないもので、読んでみたい作品があったら教えて下さい。
FFシリーズで、まだ購入していない作品です。安ければ全巻揃えたいです。
ただ、基本的にはさらなる新作の出現を期待します。
15 再販して欲しいゲームブックがあったら教えて下さい。よろしければコメントもお書き添え下さい。
『ウルフヘッドの誕生』。これは下巻も同時に再版しなければ意味がありませんが、私が上巻だけ持っていないためです。当時借りてプレイ済みですが、今再版されれば、上下巻セットで購入すると思います。
もう一つ、『グーニーズ』です。当時借りてプレイしましたが、クリアできなかったためです。
16 翻訳して欲しいゲームブックがあったら教えて下さい。よろしければコメントもお書き添え下さい。
FFシリーズの残りを。全部は購入できないかもしれませんが、評判の良さそうなものをついばみたいです。
17 ゲームブックを読む場所を教えて下さい。よろしければその理由もお書き添え下さい。
自宅のデスクです。固い上で転がる中サイズのサイコロの音が好きです。
20 ネットオークションでゲームブックを購入したことがありますか?
ありません。
21 ネットによる購入ついてコメントをお願いします。
便利だと思います。本以外にも、オンライン注文は時折行います。
23 ゲームブックの情報源としてふさわしいものは何ですか?よろしければコメントもお書き添えください。
ゲームブックの総合情報サイトがあれば、そこで行うのがいいと思います。出版社のサイトもありますが、普段はあまりチェックしませんので。また、雑誌は購入しない人が多いので、RPG関係の雑誌で宣伝するのもいいですが、それだけでは不足だと思います。
24 ゲームブックの情報源に求めていることは何ですか?
特にありません。むしろ、評価の偏った記事を読むことを恐れていますので、作品に対する記者の評価は載せないで欲しいと思います。作品の評価は、大量の読者投稿を選り好みせず列挙する形で行い、あとは読者の判断に委ねるのが良いと思います。
26 サイコロを振るように指示されたとき、サイコロを振りますか?
振ります。
27 メモをとるように指示されたとき、メモをとりますか?
とります。
28 専用の記録用紙に書き込みをしますか?
付属の専用紙に書き込みしますが、B5ノートを破ることもしばしばありました。
『ソーサリー』シリーズの場合のみ、アドベンチャーシートを自作していました。ただ、テーブルトークと異なり、ゲームブックは付属の専用紙に直接書き込んでも構わないくらいお手軽な遊び方ができますので、こだわっていません。
唯一、失敗したのが『ウルフヘッド』シリーズです。これは自作すべきでした。
29 ゲームブックに書き込みをしますか?
『ソーサリー』シリーズのみ書き込みました。最初にプレイしたゲームブックで、プレイヤーとして私が未熟だったため、鉛筆でカーレの北門を開く番号や、時の蛇を突破する番号を書いてしまいました。
30 ゲームブックにはさみを入れるように指示があった場合、はさみを入れますか?
入れると思いますが、経験した記憶がありません。復刻本であればできる限り入れないと思います。あまり覚えていないのですが、『グーニーズ』には確か、袋とじがあったようなないような……(記憶不明瞭)。これは、開けざるを得ないですね。
31 上記26〜30の質問に関してコメントがあればお願いします。
特にありません。
32 主人公について設定があるものとないものと、どちらが好きですか。よろしければ理由も書き添えて下さい。
概ね、ある方に好きなゲームブックが偏っている傾向はあると思います。でも、一番好きなものが無個性の『ソーサリー』ですので、関係ないと思います。
ただ、主人公の設定が前面に押し出されて、主役に主張力のあるゲームブックには、好きな作品がありません。たとえば、漫画ものは、私には少々遊びづらかったです。
一方で、『ドルアーガの塔』シリーズや『ネバーランド』シリーズは、主人公の設定があっても性格面の押し出しが弱く、事実上無個性と変わらない印象があります。
33 主人公の設定についてお気に入りの作品があったら作品名を教えて下さい。どのような設定か教えて下さい。
ありません。
34 設定がないときに、自分で設定を作りますか。
作りません。
37 近づきたくないキャラクターを教えて下さい。
敵キャラも含むのであれば、大変な数を挙げられます。
味方限定であれば、『ソーサリー』シリーズに登場するミニマイトのジャンです。
38 ライバルがいたら教えて下さい。
いません。
39 手ごわい敵を教えて下さい。
沢山いますが、印象的なのは『ソーサリー』シリーズの「ヒドラ」と、『暗黒教団の陰謀』の「ヒュドラ」です。
『ソーサリー』シリーズの「眠れぬラム」や「時の蛇」、『バルサスの要塞』の「ガンジー」も手強いです。
40 一緒に冒険に出かけたいパートナーがいたら教えて下さい。
現実の世界での冒険ということであれば、そもそも冒険に出かけたいと思いません。
41 師匠(先生)と呼べるキャラクターがいたら教えて下さい。
いません。
42 その他に気になるキャラクターがいたら教えて下さい。
“気になる”の意味が漠然としていて、答えづらいです。
44 冒険の舞台はどんなものが好きですか?(例:地下迷宮・大陸)
地下あり、塔あり、海(湖、川)あり、危険な街ありの広範囲に及ぶ舞台が好きです。
どこかに限定するならば、地下道です。
46 冒険の終わりかたはどういったものが好きですか?(例:再び冒険に出る・地位と名誉を得る)
本質的には、“ゲームクリア”であれば何でも好きです。
あえて挙げるなら姫を連れて旅立つ(例:ドラゴンクエスト)、もしくは単純に地位と名誉を得る、というエンディングは好きです。
47 好きな武器の種類を教えて下さい。
長い柄の付いた武器です(ただの棒でも、槍になっていても、鎌になっていても何でも)。次点で直刀の剣類。
48 好きな服装・防具を教えて下さい。
動きやすい旅行用チュニックであるとか、薄い革製の服、もしくは鎧。防寒用のコートもOK。
ガチガチの鎧に身を固めてしまうと、45で答えたようなゲームに挑戦できなくなります。
49 最初にきめられた装備のほかに、持っていきたいアイテムがあれば教えて下さい。
お金と、短剣です。最初に決められた装備や、冒険の舞台に依存します。お金と短剣を挙げたのは、それが役に立つゲームであって欲しい、という願望からです。
50 他の冒険にも持っていきたいような、お気に入りのアイテムを教えて下さい。
『ドルアーガの塔』シリーズに登場する壁抜けパウダー。自作ゲーム(http://www.yoshibaworks.com/ksd/index.html)にも似たようなアイテムが登場しますが、元ネタは完全にこのアイテムです。
51 好きな魔法や技能があれば教えて下さい。
いろいろありますが、『ソーサリー』シリーズのZAPとZED、それと『ドルアーガの塔』シリーズのMIRRAとMUARAです。『スーパーブラックオニキス』のZAPPAは、あえて外させて下さい。
52 好きなルールがあったら教えて下さい。よろしければその理由もお書き添えください。
既存のゲームブックから挙げる場合は、FFシリーズの運点(運勢ポイント)のルールです。使えば使うほど運が尽きていくという考え方は、傑作だと思います。現代のコンピュータゲームに応用しているものが少なく、意外なくらいです。
53 あなたの考えるゲームブックの定義を教えて下さい。
- 紙媒体であること(冊子の形を保つ必要はない)
- 文章やイラスト(漫画含む)により構成されていること。フローチャートは却下
- 読者の選択により、ストーリー分岐が発生すること
この3点です。ただ、定義できるほど偉い人間ではありません。正しくは世論が決めてくれると思います。
54 他には見られないような、ゲームブックのユニークな部分はどこだと思いますか?
ページをめくっていて解答が見えてしまうことがありますが、見なかったことにする心意気をプレイヤーに要求するところです。
55 ゲームブックのどういうところに面白さを感じますか?
プレイ後、自分の力で物語を完成させた、という達成感を強く与えてくれる所です。分岐つきのサウンドノベル(コンピュータADV)などにも同様の傾向があると思います。これは、単に映画を観たり、小説を読んだりするよりも、感動を得やすいためだと思います。
56 こんなゲームブックをやってみたい、というものがあったら教えて下さい。
「ゲームブック」と銘打つものに対しては、遊びたいゲームは思いつきません。「現代のプレイヤーに適合するよう作られた“昔のゲームブック風”コンピュータゲーム」は、遊びたいというか作りたいです。
57 ゲームブックをやっていて文句を言いたくなった瞬間はどんな時ですか。
思いつきません。文句を言いたくなるとズルをしているものと思います。
58 ゲームブックの長所は何だと思いますか?
安価で手軽に遊べる点、それと融通が利くこと、それと想像力を働かせやすいことです。
融通の利かないコンピュータゲームでは、セーブしたいときにセーブできませんし、ルールも変えられません。また、便利な操作や情報表示、複雑な演出などが求められてしまい、プレイする側も想像することを停止させ、己を受動に置く傾向があると考えています。これは、本の場合は、提供する情報が少なくてもプレイヤーが勝手に楽しんでくれる、という意味です。
59 ゲームブックの弱点は何だと思いますか?
コンピュータの視点から見ると、数多くあります。たとえば、容量の問題など。他にもいろいろと。
60 ゲームブックに出てきた障害物(広い意味で受け取ってください)の中で、こころに残ったものがあったらコメントをお願いします。
『ネバーランドのリンゴ』『ニフルハイムのユリ』の二作に出てきた最後の迷路です。マッピングはしていましたが、うまくいかず苦しみました。
他には、『暗黒教団の陰謀』のデッドエンドだらけの分岐です。ゲーム序盤、少し選択を間違えると最後にはどこを選んでもデッドエンドに繋がっているという、凶悪な難易度に辟易しました。
もう一つ、『グーニーズ』のパイプ(?)迷路。解けませんでした。友人に返却してしまったので、復刻したらもう一度プレイしたいです。
結局、右も左もダメで行き詰まってしまう、というシチュエーションに弱く、似たようなものが心に残りやすいです。
61 サドンデス(ある選択肢を選んだときに、突然リタイアしてしまうこと)についてどう思いますか?
作家がうまい使い方をすることで、プレイヤーに対して、遠回しにゲームを楽しませることができると思います。ただ、扱いにはとても注意が必要で、多くの場合、救済策を取っている『ドルアーガの塔』シリーズに見られる鈴木直人作品のやり方(例ですが)を取った方が、作家とプレイヤー、双方のためだと思います。
62 体力が0になることによって起きるゲームオーバーについて、どう思いますか?
61に準じます。体力ゼロ死も選択エンドも、プレイヤーにとって似たようなものだと思っています。
ただ、こちらの場合、オリジナルルールを考えさせるという選択肢がプレイヤーに残されるため、作家が組み込むシステムとしては許容範囲と見られることが多いと思います。
63 どこを読んでいたかわからなくなってしまったとき、どうしますか?
思い出す限り、訪れた番地を探して、繋がりを探します。まったく見つからない場合、アドベンチャーシートには一切修正を加えず、最初から“プレイ”して追っていきます。読み直せば、大抵道順は覚えていますので。
64 素晴らしいエンディングだと思う作品を教えて下さい。よろしければコメントもお書き添え下さい。
『王たちの冠』です。やっと終わった、といういい充実感に、しばらく浸ることができます。これはエンディングが優れているというよりもむしろ、長く苦しい挑戦に対する反射的な感動であると思います。ただ、挿絵は純粋に素晴らしかったと感じています。
65 マルチエンディングについてどう思いますか?
作家がいいと思ったら、積極的に採用すべきと思います。ただ、ゲームブックでは容量に限りがあり、下手にエンディングを増やすと中身の密度が薄まります。そこさえ回避できるなら歓迎です。
66 ゲームブックに似ているジャンルは何だと思いますか?よろしければコメントもお書き添え下さい。
コンピュータゲームのアドベンチャータイプのゲーム(AVG、ADV、サウンドノベル、ビジュアルノベルと呼ばれているジャンル)は、非常に近いものがあると思います。できれば、ゲームブックの良さを受け継いだコンピュータ向けのノベルゲームにお目にかかりたく、また制作してみたいです。
67 ゲームブックの原作に向いていると思われるものを教えて下さい(既出でもかまいません)。よろしければコメントもお書き添え下さい。
この世のすべての事象は、ゲームブックだけでなくあらゆるタイプのゲームに適用できると思います。
…などとかっこいい書き方をしていますが、要は何でもアリを旨としてゲーム制作に望んだ方がいいなと感じている、ということです。向き不向きは考えません。
68 ゲームブックを原作に、他のジャンルのゲームに翻案するとしたら、どんなゲームブックを原作にしたいですか(参考:未訳ですが、火吹き山の魔法使いや死のワナの地下迷宮が、すでに別のゲームになっています)?よろしければコメントもお書き添え下さい。
他ジャンルに移植、もしくはリニューアル制作したいゲームブックはありません。他ジャンルでは、他ジャンルに移ったときに思いついた素材を用いたいです。
69 ゲームブックを原作に、小説やドラマなどのストーリーものを作るとしたら、どんなゲームブックを原作にしたいですか?よろしければコメントもお書き添え下さい。
小説やドラマにしたいとは思いません。68と同様です。
71 ゲームブックを知らない人にゲームブックを説明するとしたら、どう説明しますか?
短く説明するのであれば「ゲームの本」と一言説明します。素材を示して説明できるのであれば、実例を見せて、話が分岐したり、サイコロを振って遊ぶゲームが多いことを強調したいです。
72 ゲームブックをやったことのない人に薦めるとしたら、どんな作品を薦めますか?よろしければ推薦理由もお書き添え下さい。
『魔法使いの丘』です。システム的に幅広い良さを消化しており、難易度も低めだからです。ただ、この答えについてはあまり自信がありません。私が、他の適当なゲームブックを知らず、高難易度の作品を好んでいたために、感覚に偏りがある恐れがあります。また、第二巻以降、急激に難易度が上昇することも難点です。伝える世代にも依ると思います。
73 ゲームブックはメジャーになると思いますか?よろしければコメントもお書き添え下さい。
「古き良き時代のゲームブック」はメジャーにならないと思います。ただ、私が同類の分野と考えている「ノベル」ゲームは、すでに十分メジャーと言っていい存在です。
ちょっと作り方を変えれば、デジタルノベルとゲームブックは歩み寄りができると思いますので、より現代に適合したコンピュータゲームという形で、それなりに普及させていくことは可能だろうと思います。ただ、今あるHTMLコンテンツや、デジタルゲームブックでは無理ですので、これからはコンピュータのゲームクリエイターが積極的にゲームブックを書くべきと思います。
74 ゲームブックの認知度をあげるにはどうしたらいいと思いますか?
紙の媒体のまま認知度を上げるには、ゲームブックだけで本屋の一角を占めるくらいに作家を増やすことかなと。そのために、投資して作家を育成する、もしくは作家が生まれるよう煽る方法をまず考える必要があると思います。抑えるべきポイントがいくつかあると思うのですが、話が長くなってしまうので省略します。その気になったら自分の雑記ページに起こしたいです。
もう一つ、大規模な投資を行い、テレビ・ラジオCM、電車内広告、雑誌広告を徹底して流し、大ヒット作品を一つ生み出すと効果があるかもしれません。もしかしたら、二匹目のドジョウを捕まえるために、資本が参入してくるかもしれません。そのためにヒットさせる作品は、単作(一冊)ではだめだと思います。小分けにした『指輪物語』を箱売りするように、良作の詰まったパッケージを出さなければならないと思います。
いずれにせよ、はじめは長期にわたって採算度外視のコストが要求されると思います。紙媒体は、ゲームブックに限らずジャンル単位で認知度を上げることは、基本的にできないものと思っていますので、上記も机上の空論のつもりで書いています。(むしろ、昔のゲームブックの成果が素晴らしすぎる)
75 ゲームブックはどういった消費者をターゲットにすべきだと思いますか?よろしければコメントもお書き添え下さい。
本の媒体のまま売るのであれば、小中学生、および懐古好きの古いプレイヤーです。
消費者を開拓するつもりがあるなら、まずは小中学生を対象にするのが妥当だと思います。TRPGやゲーム機などでこなれている高校生以上に比べて、特に小学生はファンタジーの世界についてはまだ入り口に立っています。
また、コンピュータゲームは、子供の好奇心の一部を集中的に満たすだけで、アナログ的な好奇心に対する受け皿が最近では少ないように思います。家の外で遊ぶ場所が減り、昆虫も捕れません。たまにカブトムシを与えると、まるで我が子を慈しむがごとく頬ずりをして可愛がります。そして、コンピュータゲームのプレイ時間を制限したい親も沢山います。その隙間を狙う形で売り込むのが良いと思います。(ただし、ゲームブック自身、親の賛同を得るにはなかなか難しいジャンルですので、別の努力も必要かもしれませんが)
76 ゲームブックが売れるためには、どのような条件が必要だと思いますか?よろしければコメントもお書き添え下さい。
最低でも、作家を増やすことが必要になります。無数に作家を増やしていく中で、何本かに一本、良作が混じるようにすることです。あとは、あの手この手で宣伝をするしかありません。
基本的に、本そのものが売れない現状があると思います。ですので、紙媒体のゲームブックは売れないと思います。懐古心を満たしてもらう、というレベルであれば現状のままでいいですし。
77 ゲームブックが売れる手助けとなるものは何だと思いますか?よろしければコメントもお書き添え下さい。
何よりも「口コミ」です。ですが、これを得ることがもっとも難しいです。
78 ゲームブックが置かれるスペースは、書店のどの棚がいいと思いますか?
まずは、小中学生向けの純文学作品、もしくは文庫が置いてあるスペースの隣がいいと思います。昔のように、渋い作風の作品が増えれば、ファンタジックで多少違和感はあっても可能だと思います。
『指輪物語』や『ハリー・ポッター』は、ゲーム攻略本の隣に置いてありません。それを真似するべきかなと。
中身を無視して新表紙の『パンタクル1.01』の表紙のようなことをやっているうちは、ダメですね。絵本や漫画本、ゲーム攻略本の隣に行ってしまうと思います。
ただ、いずれにせよジャンルが分派して、「ゲームブック中の○○系ジャンル」といったように、購買層に応じて専門分化していかなければ、生き残ることはできないと思います。そうなったときに、少女向けの棚に移ったり、絵本の近くに置いたりするのが良いと思います。
79 90年代にゲームブックは衰退しましたが、原因は何だと思いますか?
- 数ある新作の中から、良作がなくなったこと
- 作家がいなくなったこと
この二点であると考えています。いずれ、自分の雑記サイトにも書きたいと思っています。
80 これから再びゲームブックが出版されるようになると思いますか?
昔の活気は取り戻せませんが、少しずつ新作も出てくるのではないかと思います。復刻はだいぶ進んでいるように思いますし、私も購入していますから。
81 あなたがゲームブックのブームの仕掛け人になったとしたら、どんな戦略を立てますか?
わっと作品を依頼して、それを一気に売ります。約二十冊の新作が本屋の一角を占めれば、継続して買ってみようという気になる人もいるのではないかと思います。その中に最低五冊の良作が欲しいです。
基本的に、本のブームを引き起こす戦略はほとんど思いつきませんので、仕掛け人になることもないです……。
82 ゲームブックが衰退しないようにするとしたら、どんな戦略を立てますか?
作家と良作を絶やさないことです。これは、ゲームブックが衰退しない現象そのもののように思いますので、74に書いたような努力を続けることが、結果として本回答に繋がるものと思います。
83 ゲームブックを作ったことがありますか(未完成も含む)?発表できる範囲でコメントをお願いします。
何度もありますが、すべて未完成です。小学生が書いたものですから……。
また、PC向けのADVを、ゲームブックを意識しながら制作したことはあります。稚拙な文章でしたが、テキストオンリーで、そこそこ読み応えがあり、音楽も付いています。ただ、FFシリーズのような戦闘ルールがあるわけではなく、サウンドノベルと同様、選択肢による分岐があるだけです。突然の死亡エンドがあるところは、雰囲気が似ています。エンドの文章の末尾を「最後に見たものは、○○○だった………」などといったような文で終わっている所など。
これは、コミケなどの即売会で販売したADV作品に、オマケとして付けました。
手前味噌で恐縮ですが、内部的には「とても面白かった」と評価してくれる人が一人いて、それだけでとても嬉しかった覚えがあります。
84 ゲームブックコンテストがあったら、参加してみたいと思いますか?
思いません。面識のない一部の評論家に評価されるくらいなら、ネット上でただで配るか、同人誌即売会で売りたいです。関係者に頭を下げて頼まれたら、応募してもいいですが。なんて。
85 ゲームブックを作る上で、参考になりそうなものがあれば教えて下さい。
他のあらゆるゲーム(本に限らず)です。他にもいろいろありますが、ひとまず身近なものとしては。
トランプや鬼ごっこといった古来から伝わる遊びにも、ヒントが隠れていると思います。
86 ゲームブックは、紙から電子情報に変わっていくと思いますか?よろしければ理由もお書き添え下さい。
結論を先に述べますと、紙も電子情報も残ると思います。紙の方は、出版社に残す気があれば、ということになると思います。
ただ、ファンは口で言うほど紙媒体を熱望しているようには思えませんので、電子情報(ただの移植ではなく、コンピュータゲームとして優れているゲームブック)としても出していくべきで、そちらの方が重要だと思います。
ファンが望んでいるその心底は、“昔のゲームブック風”ゲームの話題によって仲間を糾合し、できれば新しいプレイヤーに良さを伝えて、盛り上がりを共有することだと思います。新しいメディア(主にコンピュータゲーム)に、“古き良き時代のゲームブック風味”が見えないことが、昨今の懐古ブームの原因だと思います。
ゲームブックの感触を思い出させてくれるゲーム、それも良作がコンピュータで登場してしまえば、紙として残していく必然性も、需要もなくなると思います。残念ながら、かつてのゲームブックの良さを引き継いだノベルジャンルなりのゲームが、昨今には見あたりません。すべてキャラクタ性重視、ビジュアル重視に置き換わっているためです。
今後は、電子移植といいますか、コンピュータに適合したものを出していくべきかと思います。ただ、商業的に生産されるとは限らず、日の当たる場所に見えた状態で残り続けるかは自信がありません。
87 ゲームブックのサイズは、どれくらいのものが好きですか?
通常の文庫サイズが好きです。ただ、厚さはいくらでも厚い方が良いです。
ちょっと話がずれますが、二段に分けられていない方が好きです。
88 項目数は、どれくらいのものが好きですか?
いくつでもOKです。多ければ多いほど期待して購入したいと思いますが、絶対ではありません。
89 解くことが難しいほうが好きですか?よろしければその理由もお書き添え下さい。
本の場合、比較的難しい方が好きです。いくらでもズルをして、難易度を下げることができます。ただ、闇雲に選択肢の正解率が低いとか、数値バランスを考慮していない、というものは避けたいです。
90 どれくらいの時間で読み終えるのが理想的ですか?よろしければコメントもお書き添えください。
一冊当たり、長くても15時間程度が妥当ではないかと思います。これは、分量に対する密度を考慮してですので、ページ数にもよります。
プレイ中、楽しませ続けてくれるものであれば、いくら長くてもいいです。
91 日本の作品と海外の作品の違いはあると思いますか?よろしければコメントもお書き添え下さい。
あくまで私の印象ですが、世界観の広さが、日本の作品は局所的ですが、海外の作品は壮大でミスティックな雰囲気に溢れ、冒険心をそそられます。FFシリーズのタイタンだけでなく、D&D、T&Tなど、多くのTRPGについて言えます。西洋人の感性に対する憧れのようなものがあるのかもしれません。
日本からも、後に世界観の広いものは(ゲームブック以外で)登場しますが(たとえばソード・ワールドなど)、今ひとつ冒険心をそそられません。そのルールを元に、自分で世界を上書きしたくなります。
92 迷路は好きですか?よろしければコメントもお書き添え下さい。
紙、コンピュータの区別なく好きです。自動生成された迷路を延々と遊び続けるゲームを作りました(http://www.yoshibaworks.com/ksd/index.html)。また、小学生の頃は、紙やノートの切れ端によく(2次元の)迷路を描いて遊んでいました。
93 双方向移動と一方通行、どちらが好きですか?よろしければその理由もお書き添え下さい。
双方向です。甲乙付けがたいですが、好きな作品には双方向が多めでした。
94 冒険者を他の言葉で表現して下さい。
「旅人」「挑戦者」でいかがでしょう。
95 ゲームブックの出版社に伝えたいことがあれば、コメントをお願いします。
復刻に踏み込んでいただき、ありがとうございます。
ブームに持っていくことは考えず、じっくりと細く長く続けて頂きたいと思います。
もしコンピュータ界に参入する力があれば、両者をリンクさせた戦略を立てることをお勧めします。これは、ブームに至らしめる、もしくはブームに乗るシナリオが描ける可能性があるのではないかと。
96 ゲームブックの作家さんに伝えたいことがあれば、コメントをお願いします。
かつて作家として名を馳せた方々には、お疲れさまです、ありがとうと言いたいです。
97 ゲームブックを作らせてみたい人を挙げて下さい。よろしければ理由もお書き添えください。
いません。
98 ゲームブックにまつわる思い出を教えて下さい。
自分で書こうとして、何度も挫折したことです。
99 ゲームブック好きを伝染させたことがありますか?あればそのときのエピソードを教えて下さい。
伝染と呼べるほどではありませんが、本を貸し出したまま返ってこないものが何冊かあります。